省庁の看板ランキングと省庁グッズを作る
先日、文化庁が京都へ移転するというニュースが流れた。政府は中央省庁の地方移転を本格化するということで、消費者庁や総務省・観光庁なども地方への移転を検討しているようだ。
いま東京に集中している省庁が、バラバラになってしまうのだ。これはマズイ。いまのうちに撮っておかねばならない。何をって、看板を。そう、省庁の看板をカメラにおさめておかなければならない。突然そう思ったのだ。そもそも、ニュースでたまに見る看板は、なぜ省庁によって違うのか? 調べてみたい。
早速、霞が関へ向かった。
●看板を撮りにいく
さすが霞が関駅、出口案内の半分以上が省庁である。
普通に紹介してもおもしろくないので、ランキング形式にしてみよう。基準は、重厚感、親しみやすさ、書体、材質など。
第5位 総務省
可もなく不可もなし。ショムニ感が出ている。
第4位 外務省
若干、線が細い。そして長体がかっている。日本外交の弱さを表しているような気もする。無駄な余白はなんだ? と思ったが、単に柵の高さに合わせているだけかもしれない。
第3位 農林水産省
やはり木である。もし農林水産省が金属の看板だったら、それはそれでツッコミがいもあったのだが。そして手書き。今回調べてみて分かったのだが、新しい省庁が発足した場合、その時点での大臣が看板を書くという風習があるらしい。書家などのプロに頼んで書いてもらうことも可能だが、まあ、書きたいよねえ。もし自分が時の大臣だったらどうするだろう? などと100%可能性のない想像をしてしまった。農林水産省の文字は、初代大臣・中川一郎によるもの。
文部科学省の左右で脇をかためる文化庁&スポーツ庁。文化庁のこの震えたような文字はなんだ? おじいちゃんか? ホラー文字か? 文化庁HPによると、書家の成瀬映山氏が書いたとのこと。「これが文化なんです」と言われると、反論できないのが悔しい。
それに引き換え、スポーツ庁の分かりやすさはなんだ。意外と良いじゃないか。躍動感あふれる文字。「ス」は完全に走っているし、「庁」はハードル(丁)を飛び越えている人のようにも見える。書いたのは下村大臣だそう。その辺かなり狙って書いたな、下村さん。
第1位 法務省
重みはあるが、書体はいたってシンプル。どうやら書家によるものらしい。なぜ1位にしたのか? 理由はちゃんとある。
今回、すべての省庁の看板を撮ることはできなかった。建物の中にある場合はもちろん入れないのでしょうがないのだが、外にあるものさえ撮影拒否された省庁もあった。「看板だけ撮りたいんですけど……」と低姿勢で頼んでも「あー、ダメダメ、ここ撮影一切禁止だから」と強めに注意される場面もあった。なんだよ、看板を撮るだけでもダメなのかよ、と憤ってしまったのだが、法務省はなぜか優しかった。赤レンガの建物が有名なので、写真を撮る人が多いのだろう。カメラを向けると、そこにいた警備員が邪魔にならないよう、わざわざ横にずれてくれた。なんだ、意外に優しいじゃないか法務省。看板の重厚感とのギャップも含め、1位とした。
●省庁グッズを作る。
せっかく看板を撮ったので、なにか活かせないだろうか? ということで、省庁看板グッズを作ってみた。まあ、グッズと言えないものもあるが。
「ビニール傘」
単なるビニール傘が、とたんに重厚感のある傘に。「よく傘が盗まれるんだよね」と嘆くあなたにぜひ試してほしいライフハックである。これなら盗もうとは思わないだろう。なんせ法務省だからな。
「iphoneケース」
ななめに貼ると千社札っぽい。法務省グッズとしてはアリなんじゃないだろうか。売っててもおかしくないレベル。法に守られてる感じもするし。
「ノートパソコンのステッカー」
ITベンチャー系企業で働いている人が、ノートPCにオシャレなステッカーを貼っていたりする。あまり好きじゃない。まあ、コレもどうかとは思うが。国家権力の犬である。
安倍首相のノートPCはこれぐらいであってほしい気もする。恥ずかしくて外で使えないけど。
「ポスト&玄関ドア」
ほかの部屋は名前すら書いていないが、ウチだけがいきなり内閣府。
玄関のドアにも貼ってみたのだが、突然うちの部屋の格があがったような気がした。完全に勘違いだけど。郵便屋さんにはぜひ2度見してもらいたい。志村けんばりに。
「ハチマキ&Tシャツ」
もし「省庁対抗大運動会」があったとしたら、こんな感じになるだろう。自撮りが下手すぎるのは許してください。
「アイドル応援うちわ」
法務省ファンクラブ。書体を本物に合わせるかどうか迷ったが、やはりここは例によって「創英角ポップ体」にしないとキマらないだろう、と。ちなみにこの制作キットはダイソーで購入。いま100円ショップでこんなんも売ってるのね。
●法務省をより親しみやすくする
まだ足りない気もするので、法務省をもっと活用できないか、いくつか案を考えてみた。
「キャバクラ法務省」 キャバ嬢との楽しい会話と、法律相談ができる店。
「アイドルグループ・法務省」 かつて羞恥心なんてグループもあったし、最近だと超特急なんてのもいるので、”法務省”というグループがいてもおかしくないだろう。
♪法務省~~法務省~~ おれたちは~ とMステで歌う姿が目にうかぶ。
ここまで書いて、なんで俺はこんなに法務省について真剣に考えているのか、いよいよ分からなくなってきた。
もし、急にあなたの街に省庁がやってきても戸惑わないで欲しい。上記にようにグッズを作って身近におけば、きっとその省庁に愛着がわいてくることだろう。現に僕はいま、法務省を好きになりかけている。法務省ラブ。
(おまけ)
これは岡山県にある居酒屋の看板。ニセものには気をつけよう。