僕はいまパンツをかぶっている。なぜこんなことになったのか。
経緯を説明しよう。
あるときtwitterを見ていたら、こんなアーティスト写真に出くわした。
東京、NY、LAのオルタナ・ヒーローが集結したヘイロー・オービット始動 - TOWER RECORDS ONLINE
当然ながら、これは帽子ではない。タンバリンを頭に乗せているだけだ。そのとき、ふと思った。
どこからが「帽子」と言えるのだろうか? 「帽子」と「帽子じゃない」の境界線はどこにあるのか?
探してみることにした。
■かぶれそうなものは意外と多い
ということで、おなじみダイソーへ。
帽子じゃないもので、帽子となりうるものをダイソーで探す。
今回、自分に課したルールとして、
「帽子、および帽子に類するものとして売られている商品は除外」とした。
例えば、三角巾は本来かぶるものなのでNG。
「じょうろ」も惹かれたが、さすがにラッキィ池田さんみたいになってしまうので止めておいた。
というわけで、帽子として成立するかもしれない商品を20点買ってきた。さっそくかぶっていこう。
■帽子=サイズ感が重要
1.植木鉢
パッと見、外国の帽子っぽい。が、サイズがいまいち合っていない。
帽子度 ★★★☆☆
サイズ感 ★☆☆☆☆
異国度 ★★★★☆
2.スポンジケーキカップ(6号)
本当にイタリア製なのか? とツッコミを入れつつかぶってみたが、意外とイケるかも。東南アジアの民族衣装風になった。
帽子度 ★★★★☆
サイズ感 ★★★★☆
異国度 ★★★★☆
3.ブラジャー用洗濯ネット
ふた部分が帽子のつばに見えなくもない。ふたを取ればコックさんか。
帽子度 ★★☆☆☆
サイズ感 ★★☆☆☆
コックさん度 ★☆☆☆☆
4.バストカップL
これはユザワヤで購入。さすがに躊躇したが「これもネタのため」と思い切って買った。買う前はローマ法王っぽい雰囲気を想像していたが、そうでもなかった。ってか、ローマ法王がかぶっているアレ、なんなんだろう?
帽子度 ★☆☆☆☆
サイズ感 ★☆☆☆☆
ローマ法王度 ★★★☆☆
5.ボウル
帽子というより、ヘルメットになってしまった。ボウルとヘルメットはかなり近いということが分かった。
帽子度 ★★★☆☆
サイズ感 ★★★☆☆
ヘルメット度 ★★★★☆
6.便座ふたカバー
これはベレー帽としていけるかも? と思っていたが、少し大きかった。惜しい。子ども用の便座カバーがあればよかったのに。もしくは、頭の大きい人ならちょうど合うかもしれない。
帽子度 ★★★★☆
サイズ感 ★★☆☆☆
画家気取り度 ★★☆☆☆
7.オリーブリース
リースがどういう時に使うのか、いまいち分からずに買ったのだが。ようは飾りってことか。見た瞬間「これ月桂樹じゃん」と思った。帽子ではないが、思わず頭に乗せたくなる形状であることは間違いない。もし将来、マラソン大会の主催者になって「月桂樹、用意するの忘れた!」ってときはオリーブリースで代用可能であることを覚えておきたい。
帽子度 ★★☆☆☆
サイズ感 ★★★★☆
マラソン優勝者度 ★★★☆☆
8.鍋敷き
なぜかすき間が開いており、かぶれるようになっていたのだが……惜しい。もうちょっと大きければ学帽みたいにかぶれたはず。子どもの「おままごと」なら十分使えそうだ。
帽子度 ★★★★☆
サイズ感 ★★★★☆
学生度 ★★★☆☆
9.ボクサーブリーフ 前閉じタイプ(パンツ)
これは! ほぼ帽子と言ってよいんじゃないか! やはりパンツはかぶっても良し。ネット上には、いわゆる変態仮面チックにパンツをかぶっている人が多いが、あれが正式なかぶり方だと誰が決めたのだろうか? 普通にかぶっても良いじゃないか。
帽子度 ★★★★★
サイズ感 ★★★★★
フェルメール度 ★★★★☆
10.小物入れケース
若干怒っている顔になってしまったが。実際は落ちないように気を付けている。
帽子度 ★☆☆☆☆
サイズ感 ★☆☆☆☆
異国度 ★★★☆☆
他にもいろいろかぶってみたが、サイズが合わないものが多かったのが残念である。
ジーンズ巾着。まったく入らなかった。
ニットソックス。ちょんまげ風。
お弁当トートバッグ。持ち手の部分が犬の耳っぽい。
ミニポーチ。白ならコック帽になったかも。
ミニバスケット。メッシュ帽?と思ったが無理だった。
置くだけラップ蓋(電子レンジでの温めなおし用)。
紙袋。何かのゲームキャラクターっぽい。
帽子として成立するには、やはりサイズ感がピッタリきていることが重要なのだと分かった。
■公園で撮影してみる
せっかくなので、良さそうなものをピックアップし外で撮影してみた。
スポンジケーキカップ。さっきは東南アジアっぽいと思ったが、遠目で見ると「客が来ない易者」風になった。
もうちょっと老けて、白髪&ハゲになったらローマ法王なんだけどなあ。逆に言うと、おじいちゃんがローマ法王のコスプレをするときは「バストカップL」がおすすめである。
便座カバー。いや、意外と悪くないぞ。画家か、手術前の医者か、美容室にいる人か。
オリーブリース。我ながら公園に馴染んでいる。というかSuperflyのボーカルの人みたいだ。愛をこめて花束を。
鍋敷き。やはり学帽っぽい。「四角い学帽を上に投げて一斉に走り出す」っていう防衛大学校の卒業式ごっこをやってみたい、と前から思っている。
ボクサーブリーフ、すごい。なんの違和感もない。そのまま街を歩いてみた。
エスカレーターにて。この角度から見ると、穴が開いていてちょっと不格好ではある。
■駅でいろいろかぶってみた。
駅構内、改札付近でもかぶってみた。まわりの反応はいかに?
さすがに便座カバーは「おふざけ感」が強い。しかし、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯でみんな足早に去っていき、思ったほど見られていない様子だった。(単に見て見ぬふりをしているだけかもしれないが)
「ブラジャー用洗濯ネット」をかぶって案内板を見る男。
ブリーフの安定感よ。
いろいろ試した結果、帽子度ベスト3は、
1位 ボクサーブリーフ
2位 スポンジケーキカップ(6号)
3位 便座ふたカバー
次点 鍋敷き
となった。
【今回の結論】
無地のボクサーブリーフパンツは帽子として成立する。(ほぼバレない)
あと、デパ地下店員、もしくはフェルメールのコスプレをしたいときはコレをかぶると良い。
(自分としてはフェルメールっぽいなと思ったのだが、撮影に協力してくれた友人は「デパ地下の店員でしょ」と言っていた。確かに。)
まだ寒かったので、パンツをかぶったまま家に帰った。
パンツが帽子として成立したのも嬉しかったが、「人はたった108円のものを頭に乗せるだけで、ふざけた奴を演出できる」というのも新たな発見だった。
終了後、ブリーフパンツはスタッフ(俺)が正式にパンツとして利用しました。